夢と希望と珈琲と。

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夢と希望と珈琲と。

 鰯雲が大空を覆い尽くす頃、野梅高校に通う女子高生三人は煩悩に覆い尽くされていたーー  人気のあるカフェの店先。イーゼルには、新スイーツの写真と魅惑的なキャッチコピー。  それを眺めて悩ましく俯くユウコ。その隣でマホに後ろから抱きつかれながらスマホをいじるチトセは「もーいんじゃない? 甘いもの禁止期間終わりで。そもそもユウコ痩せてんだからさ」と面倒臭そうな声色で、入店を促した。  これにユウコは首をお淑やかに振ってみせる。 「いいえ違うわ。このクリームの乗っかり方が絶妙にエロスを醸し出すから、今度試してみようかと思ったの」 「そっちかよ、めんどくさ。てかなぜそこ強調した。しかも試すって何をどうすんだし」  するとマホは「最近さー、触り心地よくなってきたよねチトセぇ。いいなぁ家に一頭欲しい」と脇腹を摘み始めた。 「おいマホやめれ!  しかも単位間違ってるし、ムカつく」  そう言ってマホの手を掴み上げる。 「あー痛い痛いーっ!!」 「いやそんな強く掴んでないし!」 「いたーいっ! たすけてーっ!」 「マジでやめろ……って!」  口を塞ぎヘッドロック。 「んむ……んむ」 「お前つぎ声出したら、本気で髪の毛毟るぞ」
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