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変革1
某喫茶店
ギ…ギィィィ!!
重い音と共に扉が徐々に開き薄暗く落ち着いた雰囲気の室内へ入る。室内のBGMも個々の会話を邪魔しないボリュームで心地よい。
トウマ「マスター連れてきたよ」
マスター「あぁ…」
二人の会話は簡潔で何の事かは理解出来なかったが頼んでもいない飲み物が出てきた。
それをトウマは一口飲むと改めて先程の話をしだす…
トウマ「ここにもうすぐある女性が来る」
「その相手に声をかけてみてくれよ」
ケンジ「!?」
「なんで!!」
トウマ「自身の意識を変える為だろ」
ケンジ「言っている事はわかったけどいきなりは…こう言うのはタイミングと言うか…」
トウマ「ならそれはいつなんだ?明日か?明後日か?時間は無限じゃない有限なんだ…確実に明日がある訳じゃないだろ…」
そう言うとトウマは出されたコーヒーの残りを一気に飲み干しマスターにアイコンタクトを取り無言で店を出ていった…
ケンジ「………」
困惑した俺を静かな口調でマスターは…
マスター「もう暫くお待ち下さい…」
とだけ俺に告げるとこの後来るであろう人物の為のコーヒーカップを用意しだす…
カチャ…カチャ…
食器の音と部屋のBGMが静まりかえった空間を支配する………
数分後…言われた通り店の扉が開く音がした。
ギギギッ!!ギ…ギギィィィ!!
その音で振り返ると他人に興味を示さず関わりを嫌いそうなぐらい無表情な女が居た。
長い黒髪に黒い服…
第一印象は…良くなかった…
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