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心と気持ち3
部屋に入るとやんわりと優しい香りが立ち込め幾分気持ちは落ち着きだした。
ケンジ(………)
無表情に壁を見てあの男が来るのを待っていると軽い耳鳴りと微かに俺の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
?(ケンジ…ケン…)
バッ!!
声の主を探そうと首を回すも誰も居ない…
次第にその声は聞こえなくなり足音が近付いてくる…
コンコンコン!!
B子「失礼します。所長を連れて来ました。」
B男「今日はどう言った用件で?」
男はスタスタと歩きながら口を開き椅子に座った。
ケンジ「あれからおかしな夢を見るんだ…」
俺は夢の内容とそれを見た自分の印象やそこに出てくる女の事も話した。
B男「それ以外に何か変わった事は?」
ケンジ「特には…ただ…」
一瞬耳鳴りと「声」の事を話そうとしたが不審者に思われるのでは?と考え…
ケンジ「耳鳴りが少し…」
B男「他には?」
ケンジ「いや……」
B男はこちらの何かを引き出そうとしているのか?目をじっと見つめ続ける。
ケンジ「あれからなんだ…ここに来てから何かおかしいんだ…」
B男「わかりました…一度様子を見る為ベッドに寝て下さい。」
その言葉に不安を少なからず感じたが何か解決するのであればと俺は横になった。
ケンジ「………」
B男「落ち着いてゆっくりと呼吸を続け…肩の力を抜いて…ゆっくり…ゆっくりと腕の力…足の力を抜いて…そして…目を閉じて…」
ケンジ「………」
言われるまま目を閉じ…意識は遠のいて…ゆく…
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