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心と気持ち4
ケンジ(ぐっ!!)
バタッ!バタバタッ!!
無意識に体は痙攣し
手足をバタバタと動かし
その反応で目を覚ます……
と…こちらの様子を覗き込む男と女…。
B子「お疲れ様です。ご気分はどうですか?」
声をかけてきた女の名は「馬場」(ばば)
B男「何か思い出したか…?」
無愛想なこの男の名は「別所」(べっしょ)
この二人の事はここ最近ではなく数ヶ月前から知っている。
この場所には「トウマ」と言う男から紹介されて来た事も思い出した。
トウマとは仕事帰りに立ち寄った飲み屋で知り合い彼は俺の日常を変えた………。
数年前・某居酒屋
ケンジ「で…毎日が退屈でしょうがないからたまに仕事帰りの道を外れて飲み屋に立ち寄る訳でさ…」
俺の愚痴をトウマは真面目過ぎずふざけ過ぎず適度な状態でいつも聞いていた。
トウマ「退屈と感じるならいつもじゃない事をしてみたらどうだい?」
ケンジ「いつもじゃない事か…」
トウマ「いつもじゃない考え・いつもじゃない言葉・いつもじゃない行動…」
ケンジ「それって難しくないか?」
トウマ「別に特別で大きな変化じゃなくてもいいんだ…」
そう語りだした彼は俺の皿にある焼き鳥に一味唐辛子をかけ食べろと言う目で訴えてきた。
普段はタレか塩のみで一味唐辛子なんてかけない俺は食べるのを渋ったがトウマはそれでも目で訴えてきたので一口かじった。
ケンジ「……!!辛っ!!」
唇がジワジワと刺激でヒリヒリしだす…
トウマ「どう?」
ケンジ「俺は一味唐辛子は好き好んで食べないんだよ…」
不機嫌になりながらそう答えた俺を見てトウマは満足そうに
トウマ「こんな些細な変化でもさっきのお前とは違う気分になれただろ?」
ケンジ「確かに………」
トウマ「お前が帰宅帰りに寄り道をするのだって同じ事だし言う程特別な事じゃないだろ?」
この日を境に俺は些細な変化とやらの虜になりちょっとした「いつもじゃない事」を毎日やる様になった。
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