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日常と非日常 1
ピピッ‼︎ピピッ‼︎ピピッ‼︎ピ…
目覚ましの音で強制的に起きた体を起こしモゾモゾと布団を出る。
開いてるのかわからない目で寝室を出てコーヒーメーカーの電源を入れ窓を開ける…
カラカラカラ…
シュボッ‼︎
タバコに火を付け排気ガスが混じったニコチンを摂取しながら「今日」の始まりを感じる。
俺A(ダリい…)
今日もまた昨日と似た日を過ごすのかと憂鬱に感じながら外の風景を見て数分タバコを吸う。
タバコを吸い終えカップにコーヒーを入れスマホを片手につまらないニュースと天気予報を調べる。
それから昨日と同じ様に顔を洗い歯を磨き出勤の準備をして家を出る。
駅までの距離をほぼ無心で歩く…
昨日と同じ様に歩いているとティッシュ配りが歩道橋付近で待機していた。
ティッシュ配り「良かったらどうぞ〜‼︎」
俺A「ご苦労様…」
日常に何かしらの変化があるとしたらこのティッシュ配りが居るか居ないかと天気ぐらいなのだろうと考えながらいつもの時間にいつもの電車に乗り込んだ。
同じ時間の同じ車両には数名見知った者も居て「似た」毎日を実感する。
職場でも代わり映えしない場所と人で仕事をしてまた同じ電車に乗り帰宅した。
自宅
ガチャ‼︎ドサッ‼︎
ドアを開けて放り投げる様にカバンを玄関に置きいつもの様に洗面台で手を洗いうがいをする。
俺A(ふぅ………)
(ん…?)
放り投げたカバンの側面にある小さなポケットからティッシュが顔を出していた。
俺A(朝のやつか…)
貰うには貰ったが何のチラシなのかも気にせずにポケットにしまっていたので何気に手に取り確認する。
「只今キャンペーン中♡
御来店して下さるだけで豪華商品貰えます‼︎
数に限りがありますのでお早めに‼︎
貴方の記憶お売り下さい‼︎」
俺A(なんだこれ?)
(記憶をお売り下さい?)
(記憶って…専門知識や情報の事か?)
かなり怪しい感じはしたが電話番号や住所も載っていた為休日気晴らしに近場を散策する事にした…
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