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気持ちが通じ合って何度もデートを重ねた。
志摩は実は俺の事を大分前から好きだったらしい。
無表情なのも俺への気持ちを周囲にばれないように、という事で。
俺の知っている志摩は既に無表情だったので、いったいいつから俺の事が好きだったのか…。
これはいくら聞いても教えてくれなかった。
俺が日下を好きだった事には気づいていて告白するつもりはなかったらしいが、俺の最近の様子から失恋した事を知り思い切ってアプローチしようと飲みに誘ったという事だったらしい。
指を舐めてキスを誘ったのも酔っぱらっていたので夢だと思っていたらしい。
その時の様子を告げると顔を真っ赤にさせていた。
そして今日は俺の家でのおうちデートだ。
ソファーに二人並んで座っている。
「三木、キスを…してもいいか?」
「はい…」
ちゅっちゅっと啄むキスを数回の後、舌が口内に侵入する。
「ふぁ…」
気持ちがよすぎて思わず漏れてしまった自分の声に驚く。
キスの間にシャツのボタンを丁寧に全て外されてしまった。
そっと触れられる肌。
胸の飾りをこねて摘まんで潰して、弄られる。
何も感じないはずなのに、志摩に触れられると全てが快感を拾ってしまった。
「あ…っ」
「好きだ。愛してる」
耳元で囁く志摩。
志摩の瞳は欲に濡れていて見つめられるだけで脳が溶けそうになる。
匠な愛撫に心が震え、身体もぴくりぴくりと喜び震えた。
この辺でおかしいと気づくべきだった。
わけもわからなくなっている間に後ろを解され挿れられイかされた。
何度もなんども。
途中で意識を手放し、翌日の昼すぎに目が覚めた。
現状把握に頭がフル回転する。
綺麗になっている身体。
痛む腰。痛む後ろ…。
隣りで眠る綺麗な顔の俺の恋人。
えっと…?
冷や汗が止まらない。
当然俺が志摩に挿れるものだと思っていた。
実際は俺が挿れられてしまった。
そして、志摩は顔に似合わず性欲魔人だった。
昨夜のあれこれを思い出し真っ赤になる。
痛む腰をさすりながら、友人が遠い目をしていた意味がやっと分かった。
性欲魔人恐るべし。
-終-
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