仮初めの蜜月 その2

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 それから数日後。祝日が連なるゴールデンウイークの最中に、私はまた、椎名くんの部屋を訪れていた。  椎名くんのマンションまでの経路はもう、覚えた。 「泊まってけよ」  そう言われていたから、ちゃんと着替えまで持参して。  洗濯や掃除なんかを済ませた私が椎名くんの部屋を訪れたのは、午後になってから。  二人で近所のスーパーへ買い出しにも行って。  これがすごく恥ずかしくて、すごく楽しかったな。    仕入れてきたのはカレーの材料。一人だと作りすぎて困るけれど、二人なら食べ切れそうだから。それに作るのも簡単。  辛口が好きな椎名くんと甘口が好きな私が作るカレーは、一体どんな味になるんだろう。やっぱり辛さが甘さを凌駕しちゃうんだろうな、と蕩けるチーズを買ってきて正解だった。  ピリピリとスパイシーな辛さをチーズがなんとか宥めてくれたおかげで、汗をかきながらも食べることができたから。  椎名くんは、もっと辛くすればよかった、なんて言って私を困らせて、嬉しそうな顔をしていたっけ。私の舌なんて、あの辛さでもまだ少しヒリヒリしているっていうのに。
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