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「……わかった」
「は、母上!」
「ただし、同行するつもりはない。私は私の足で王都に行く」
「はい! それで大丈夫です!」
息子にここまで言われては、不本意ではあるが少しでも行くしかないだろう。
それに、丁度引きこもりだけの生活にも飽き飽きしてきていたところだった……決して、人間の街が楽しみなどと思っているわけではない。
望んでいた返答を貰えて満足したのか、それほど滞在することも無く、ダイン達はすぐに帰っていった。
結局、王女は何のためにやってきたのだろうかと思ったが、特に意味はないのかもしれないとリーチェはどうでも良さそうに断じた。
そんなことよりも森を出る準備を、と数百年ぶりの荷造りを始める。
荷造りとは言っても必要なものを時空魔法で作り上げた異空間に放り込むだけなのだが。
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