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「母上! お久しぶりです! まだご健勝のようでなによりです!」
「うん……久しぶりだね、ダーくん。5年振りだよね? 用事は知らないけど、良かったら上がってもいいよ。そっちの貴女もね」
アーチェは眠そうな目でうっすら微笑みながら、ダーくん……ダインと、その傍で呆ける明らかに容態からやんごとなき身分である女性へと指をさすと、家に促した。
ダインは5年振りにみた家に懐古するように歯を噛み締めつつお邪魔しますと言いながら玄関をくぐり、逆に女性はおずおずと恐れ入るようにして家に入っていく。
アーチェは様子からこの女性が自分のことを知っているのだと確信し、後ろに続く。
普段だらけているアーチェだが、意外にも家はとっちらかっていることもなく、それなりに整然としていた。
3人分の紅茶を淹れ、風魔法で浮かせて居間に座らせている2人の前へとカップを置くと、ダインは真面な面持ちでここに来た目的を話し始める。
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