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きょとんとするアーチェに、今度は隣の女性も悲痛な表情を浮かべながらダインと同じようにし。
「私からも、お願いします! どうか、どうか働きすぎの父と宰相を休ませるため、貴女様のお力を貸してくださいませ! このままでは、働きすぎで死んでしまいます! 」
ダン、と明らかに痛かったであろう音を立てて机にぶつける程の勢いで頭を下げた。
隣の女性が王女だったことに突っ込むことはしない。
ダインの今の肩書きは知っていたし、それなら彼の近くに王族が並んでいることもなんら不思議ではないからだ。
流石に、こんなところにまで王族がついてくるとは思わなかったが……。
ただ、騎士団長と王女が必死に乞うようにして頭を机にこすりつけながら変なことを口走る異様な光景には、流石に一体何を見せられているんだ、と千年を生きるアーチェですら遭遇したことのない事態に戸惑わざるをえない。
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