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 終わったと同時、後ろに倒れた彼を支えたのはコウタだった。 「悪いな……汗まみれで……」 「いえ、かっこよかったです」  支えた腕に体温と、暖かい水を感じる。だが、少しも不快ではない。むしろ、誇らしく感じる。  すでに立てないモチミギを座らせ、画面を見つめた。  画面の点数は。 「すごい……」 「ヘッ、俺様が踊ってんだ。当たり前だろ」  100兆を越えていた。  ゲームクリア。  派手に文字が踊り、狂ったように音楽がなる中、それに負けないくらいの歓声が、ゲームセンターに響き渡った。 「あ……た、タンスは!」  呆然としていたアサネが我に帰り、ワタワタと筐体の方に寄っていく。  全員の目が筐体に集まると、それを待っていたかのように、ゆっくりと、扉があいた。  演出のひとつなのだろうか。今まで見たことなかったが、あいた瞬間に下からドライアイスのような白い煙が出てきた。  扉も心なしかゆっくり開いているような気がする。たっぷりと時間をかけて、それは現れた。  え?  全員、一瞬思考が停止した。  最高級の木材を使っているのだろう見事な木目に、最高の技術を使っているのだろう、素人でもわかる見事な造り。装飾も素晴らしく、非の打ち所がない。実用はもちろん、観賞用と言われても差し支えないほど見事な。
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