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「ダメです。
弊社の神は気の利かないところがありまして。
ご自分で就業形態に納得された会社名を書かないと、とんでもない超絶ブラック企業に入ることになり、鬱と過労で死ぬ羽目になるかもしれません」
「それは……イヤです」
「そうでしょうとも。
ですから是非、正確な社名をご記入ください」
男は恐る恐る記入を終えた。
「この広いスペースに、内定までのプランを自由に記入してください。
箇条書きが簡単かもしれません」
「プランとは……?」
自分は就職祈願をしに来ただけなのに、何をさせられているのだろう。
男はいよいよ不安になった。
「一番大事なのは、内定の理由になりますね。
たとえば異業種からの転職なのに単純な補充として内定をもらってしまうと、いきなり第一線での戦力を求められて、そう遠くない未来にまた就職活動する羽目にならないとも限りません」
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