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「もう叶えた。
あの紙は用済みだ、どこへなりと飛んでいけばよかろう」
今ごろ、あの男のメールアドレスに「内定のお知らせ」という件名のメールが送信されただろう。
働くがいい。
そして晦日には、こたつでぬくぬくと蕎麦でも喰らえばいいのだ。
「今回の祈願方法、なかなか良かったぞ、女。
褒めてつかわす」
「あそこまでガチガチにやらないと民草の願いも聞き届けられない神様って、どうかと思いますけど」
すると再び本性を現したムカデのお化け。
長い胴体をのたくらせ、本当に100本ありそうな鋭い足で石畳を踏み鳴らす。
今度はご丁寧に、口から消化液まで吐く始末。
「やかましい、絵馬など金輪際扱うな!
あんな木っ端に太い字で書くなど、最初からやる気が感じられんわ!
ヤメだヤメ!」
「酸っぱ臭っ!
酸っぱ臭いのでやめてください。
鎮まりたまえー」
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