第1話 優劣社会

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ウザイ…… 隣の芝生は青い的な優劣差別に嫌気がさした俺は、仕方なくカバンを掴んで後ろで怒鳴り散らす親を後目に家を飛び出した。 だが俺が塾へ行きたくないのには理由がある。 「お前はやる気あるのか? 授業料の無駄だ。お前みたいなのはやっても無駄だ」 塾長の飯田に何度も出来のいい同級生と優劣評価されるのがマジでウザイ…… 正直、学校の教師も 「金谷。もう少しレベルを考えて現実の志望校を選べ」 はあ? それは学校やお前の実績に汚点が付くのが嫌だからだろう? 己の実績や名誉のために俺達、受験生を利用しているだけだ。いかにも優秀な奴だけピックアップさせて手柄にする。劣等生の俺に居場所なんてないんだ。 勉強…… 学歴…… 進路…… 面子…… 誰のための人生なんだ? 1学期は表面上で「一緒に頑張ろう」と綺麗事を並べるが、何で大人達の都合や機嫌、事情に利用されていることを誰も気づかないんだ? どうせヤフコメやTwitterに載せてもその人のBACKなんて気にしないで炎上コメされるだけだ…… 「こんなクソな社会なんて消えればいい」 俺は陽炎に消えるようにあてもなく歩いた。
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