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第5話 北の大剣
東は俺の胸の先にある二つの突起をトレモロタッチで同時押しした。
「アアッ!」
変な声と共に激しい電流が俺の全身をスパークした。激しい目に見えぬベクトルが俺の血と肉に注入され内側から俺の全てを津波の様に反転させる。
「き、来たな!ガイアパワー!!登!お前は一体何の戦士なのだ!」
東がゴクリと喉を鳴らした。
「ああああ!」
俺は立ち上がり両手を握りしめ曇天の空に向けて咆哮した。その途端、全ての衣服が紙切れの様に弾け飛ぶ。
「お、お前はまさか!伝説の『北の大剣』!」
東が恐れ慄き向けた指先は俺が身体に身につけた唯一の布。光輝く黄金の文字で『北』と書かれた黒い海パンだった。
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