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第6話 オールフリー★★★覚醒
《西 令草氏へバトンタッチ》
爆発寸前にまで全身の血を集めた『北の大剣』は、最後の一枚であった狭苦しい黒い海パンに、もはや納まりきれず!
それ自身の強大なる膨張力で、なんと!
バチンッ! と 海パンの生地を突き破り、天を指して昇り龍のごとく勇ましく勃ち上がったのである。
普段なら『キャーッ!』と叫ぶはずの女子も、先生も、塾生たちも、誰もが声を失い、ただ俺の『北の大剣』にウルウルと熱い眼差しを送っている。
血沸き肉躍るとは、まさに、この感覚だ。
『ぐわあああおおおおおぉぉぉぉぉ…』
全身のやり場のない興奮を抑えきれず、俺は両腕に力こぶを隆起させながら怪人のように雄叫びをあげた。
まさに ★ オールフリー ☆ 覚醒 ★
俺の心身を拘束するものは、何一つない!
塾長の飯田は、俺の前に進み出て大声で叫んだ!
「金谷。見事だ! 今や、地球の未来はお前にかかっている。お前の『北の大剣』を『雪の王』の秘密の鍵穴に捧げるんだ。お前こそアンドロメダ銀河太陽系第3惑星である地球の代表者にふさわしいスーパー・ヒーロー、真の王者だ。」
俺は耳を疑った。
覚醒した俺を見た途端、地球を代表する真の王者など空々しい言葉で俺を持ち上げる塾長の飯田の無神経さ。
今まで、さんざん人をさげすみ暴言を吐いてきたくせに、なんという身代わりの速さ!
俺は『北の大剣』を隆々とオッ勃てたまま、飯田にこう言った。
「塾長は先日『お前みたいな奴は何をやっても無駄だ。授業料の無駄だ。と、おっしゃいました。何をやっても無駄だと決めつけた、その俺に向かって、今、何とおっしゃいましたか? 地球の未来が俺にかかっている? あははははははは・・・・じゃあ、もう地球はおしまいだ。どうせ俺は何をやっても無駄なんでしょう? 塾長が俺に、そう言ったんです。無駄な努力はしません。俺より、日頃から塾長が期待している優等生の東か、1日24時間猛勉強している和也に頼れ! 俺は帰る。」
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