【エリア6:ノヴァ山】Scene:13. 夜空の洞窟

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 こんなコトしてくれるなんて。人目が無くなった一瞬の隙をついて、褒めてくれてご褒美まで?  ジェダさんがなんかおかしい!? 「やめろその ”ジェダさんが狂った!” みたいな顔。後悔したくなるだろーが」 「し、しないで……。というか、狂ったとまでは……」 「まあ、たまにはな。誰も見てねえし」 『オイラは見たぴょ』 「わたくしも見ましたが」  二つの声はボクのポーチと背後の大岩からヒョッコリと顔を出してる、ラピとフルウさんだった。 「……っ」 「…………フルウ、ミンクについててやってくれ。それからクソウサギは俺と来い!」  ジェダさんがラピの首の皮をつまんでポーチから引っこ抜いた。 『え!? なになに、オイラをどーするぴょ?』 「今までしれっと避難してやがって。別れ道は三つあった。お前もそのうちの一つを行って、抜けられるか確かめて来るんだ。少しは役に立て」 『断るぴょ。妖魔に会ったらどーする』 「食われるか逃げるか、どっちでも好きにしろ」 『イヤだぴょーー!』  ピョコピョコ暴れるラピを持ってジェダさんは岩場を出て行き、代わりにフルウさんが入ってくる。気まずいけれど、ボク一人じゃ本当に妖魔が来たらどうしようもない。 「あ……あの、さっきの事……」 「心配しないで。ネフラ様には内緒にしておくよ」  フルウさんは、ボクには少しラフな話し方をしてくれる。それが仲良くなれた証のようでなんだか嬉しい。 「それより身体の調子を整えよう。少しお腹に触れてもいいかな」 「え、フルウさん回復術も使えるの?」  彼も平岩の上に腰を下ろし、ボクにふわりと微笑みかける。   「身体の殆どは水で出来ているんだよ。水ならわたしの分野。ただし回復というより整えるだけですが」 「じゃあ……お願い、します」  長い指を持つ手がボクのお腹にそっと触れた。
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