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ジェダさんがアモネさんの弟くんを!?
「そんな……こと。先日って、いつ……」
「ミンクくんが館にやって来た日ですよ。あなた方の勝負の後……朝も間近の夜明け前だったとか」
頬が冷たい。
自分の顔から血の気が引いていくのがわかる。
勝負の夜。長く一緒にはいたけれど、確かに目が覚めた朝にジェダさんは居なかった。
「その日だけじゃない……それ以来、ジェダ様はたびたびポルト君の部屋に忍んで来るそうです」
ボクと朝まで居てくれたことは一度もない。必ず明け方には館へ帰っていく。
(昨夜も……起きたらボクは一人だった……)
「落ち着いてください。また身体の中が乱れてきましたよ」
お腹に置かれたフルウさんの手がサラリとボクの肌を撫でる。けれどさっきのように少しも整っていかない。
むしろザワザワと乱れる想いを煽るよう。
「ジェダ様がわたくしたちとの夜を断つことにしたのは、ポルト君の為かもしれませんね。……あなたではなく」
フルウさん……。さっきまではラフな口調だったのに、戻って来てからはまた丁寧な話し方になってる。やっぱりボクと距離を置くことにしたのかな……?
「……真っ青ですよ。まさかジェダ様を信じていたのですか」
「…………」
信じる? ジェダさんの何を?
「可哀想に……」
お腹を撫で摩る掌が熱い。サラサラで少しひんやりしていた手が、いつの間にか熱をもってボクの身体を愛撫し始める。
お腹から脇腹、鳩尾から胸元へ。
「は……ぁ、……ッ……」
「ジェダ様だけを見つめて生きるなど愚かな。もっと自由に、もっと楽に」
フルウさんがふわりとボクを抱き寄せた。指先が妖しくボクの胸のラインを辿り、首筋を回って襟首を掴む。
「さあ……従ってごらん」
目がくらんで、愛撫される感覚だけに強引にさらわれてしまう。ドキドキが止まらない。
(この感じ、どこかで……)
そうだ。アモネさんに触られた時と似てる。
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