【エリア6:ノヴァ山】Scene:13. 夜空の洞窟

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 果たして岩場から顔を覗かせたのは当のジェダさんだった。 「道が見つかったぞ。身体はどうだ、行けそうか?」 「う、うん、フルウさんが整えてくれたから。もう大丈夫」  平静を装って答えるボクに、彼がホッと息をつく。 「そうか。ご苦労だったフルウ」 「とんでもございません、これしきのこと」 「出口は近いらしい。ネフラが向こうで待ってる」  踵を返す後ろ姿をそっと見送って、ボクはフルウさんを振り返った。 「この任務が終わったらジェダさんにも話しましょう。ポルトくんを放ってはおけない」 「わたくしもそのつもりでしたよ。ですがまず」  彼がついと顔を上げてどこかを見やる。 「……こちらを確かめなければ」 (え?)  こちら?  確かめるって、まだジェダさんを疑ってる……のかな。 「ミンク何してる、早く来い。クソウサギがなんか騒いでるぞ」 「は、はーい! ラピ? 今度はなんだろ、もう……」  慌てて岩場を出ると、背後でフルウさんがまたポツリと呟いた。 「やはりジェダイトでなければダメか……」 「え? なんですか?」 「いいえ。例の者がジェダ様でなくて良かった、と。さあ参りましょう」  さらりと蒼い髪を流して、フルウさんが先に立って歩き出す。その背中を見つめながら、ボクはまだ見ぬポルトくんを思った。 (いったい誰が何のためにそんな酷い真似を……)  ポルトくんを秘かに気に入って、想いを遂げる為とか。だとしたらジェダさんを装う必要がある?   それにあの館に忍び込んで、これまで誰にも気づかれないなんて。 (気配を消せる……? それってかなりレベルの高い魔法(マギア)だ)    どちらにしても悪意しか感じられない。 『ああーん、ミンクぅーー! おヒゲがチリチリって燃えたぴょーー!』
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