【エリア11:哀しみの館】Scene:21. 禁じられた運命

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「ミンミン……」  様子を伺っていたアモネさんも事態を理解したのだろう。ボクを見つめたままズルズルとその場に崩れ落ちた。 「ふ……ふふ、ははははは……!」  勝者の異様な高笑いに、ボクだけでなくその場の誰もが声を失い立ち尽くす。 「そうだミンク、お前は我の召喚霊(サマン)……。我に従い、我が望むまま生きよ」 (……ポルト、くん……)  横たわった小柄な遺体が前髪からサラサラと宙に溶けていく。  あの身体が全てこの薄闇に消えてしまったら……終わり。 「ボクは、本当にルークスには逆らえないんだね……」 「それが我らの絆。さあ帰ろう」 「絆……? これが」  ルークスがローブを広げてボクを包もうと片手を回す。 「ボクは、これが絆だなんて思えない」  その手を押し留めて、傍らの召喚主(ロード)を見上げた。 「こんなの、ただの……支配だ」 「支配……結構だ! お前が何を考えようと誰を想おうと、我は正当な召喚主(ロード)。生涯お前を征服支配して頭上に立つ……それで良い!」  いいと言うくせに、ルークスの声は悲哀に濡れている。でもこの人は哀しみを怒りと殺戮にすり替えるしか知らない……完全な妖魔。 「……ルークス」  だから、やっぱりこれしかない。 「ボクとの召喚契約を……解除して」  眉をひそめるルークスは、どこか呆れたような気を滲ませる。 「愚問だ。そんなモノに応じれば、双方の魔力を含め(おの)が力を全て半減させてしまう。なにより我はお前を手放す気はない」 「だったら」  ボクは彼の額に刻まれた自分の魔法陣を見つめた。 「強制的に解除するしかないね」  その言葉に、ルークスより先にジェダさんとネフラさまが顔色を変えた。 「な……! バカ言ってんじゃねぇミンク!!」 「ミンク! 駄目だ、それは……、ああっ!?」  駆け寄ってくる二人が、ボクとルークスを包む眼に見えないドームに阻まれる。
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