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(もう丸二日間……。強制解除で残される時間はどれくらいなのか)
彼は、今どこにいるんだろう……。
「……誰が心配症だと?」
突然背後から低い声が響いて、ボクとポルトくんが一緒にぴゃっ!と飛び上がった。
部屋の奥のバスルームから、ジェダさんが濡れた髪を拭きながら現れる。
「だって、ボクもう元気なのに部屋から出してくれない……」
「やかましい。ダメなものは駄目だ。ネフラにも頼まれてる」
確かに、ネフラさままで ”しばらくここでおとなしくしていなさい” と言って、任務の合間にボクの顔を見に来る。彼の過保護にも困ったものだ。
ジェダさんはずっと傍にいるし、ちょっと席を外す時はラピがいたりフルウさんがいたり……一人で考え事をする暇もない。
(本当に困ったな……どうしよう)
こっそりため息を吐くと、ポルトくんが独り言のように声を震わせた。
「ジェ、ジェダさまがミンクさんのお部屋でお風呂に……!?」
「え?」
「あぁ?」
『違うっぴょ。ミンクの部屋じゃなくてジェダの部屋だぴょ』
「そんな事知ってる……けど」
そう、ここはジェダさんの寝室。とはいっても、ベッドはボクに明け渡して彼はずっとソファで休んでいる。”今は身体の回復だけを考えろ” と。
「あのねポルトくん、誤解しないで。ボク急に倒れちゃったからお部屋の用意が間に合わなかったんだって。それでジェダさんが自分の所に仕方なく」
「やっぱり兄さまが言ってた事ってホントなんだ……」
「アモネさん? なにを言ってたの」
上目遣いにボクを見て、それからジェダさんに恨みがましい目を向けて……ポルトくんがポツリと呟いた。
「……ミンクさんはジェダさまの嫁だって」
「は?」
「ブフォアッ!!」
『いや、嫁というならジェダの方だぴょ』
すかさずジェダさんがラピの首根っこを掴んでぎゅううぅ……と締め上げる。
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