Scene:22. お別れの星

8/10
前へ
/273ページ
次へ
 蚊の鳴くような声で少しそっぽを向いて。ようやく自分も疼いている事を教えてくれる。  最強で、俺サマ体質で、意地っ張りなボクの嫁。 (可愛い……)  そうなると、なんだかこのまま突き進むのが勿体なくなる。 (もっと困らせてもっと感じてもらって……。いっそ半べそくらいになる顔が見たいな……)  ボクは彼の両手に指を絡め、頭上に引き上げてベッドに貼り付けた。  本当にそこから動かないように……魔法(マギア)を使って。 「……おい? なんだコレ、手が……動かねぇ。何しやがった……?」  諸手(もろて)を挙げて、訝しげにボクを睨んでくる凛々しい(かんばせ)。 「ボクね……ジェダさんをサマンにしてから重力の魔法(マギア)が使えるようになったみたい」 「は……?」  均整の取れた肢体が両手を掲げたまま拘束されて、無防備にボクの前に晒される。  その姿はあまりにも美麗で官能的。 「ジェダさん……すごく綺麗。綺麗で、ものすごくえっち……」 「俺にこんな真似する命知らずはお前が初めてだぞ……さっさと解け」 「やだ。もうちょっと……」  不服そうな唇に、ちょっと本気のキス。  舌先で溶かして口内に侵入すると、甘い吐息がちゃんと迎えてくれる。 「ん……、ぅ……ッ……、はぁ……ッ」 「ジェダさん……キス、気持ちぃよ……」 「気が済んだら、魔法(マギア)を解け……」 「だめ……」  逞しい筋肉の乗った肩、腕、胸元と順に唇を這わせる。    されるがまま、抵抗出来ずに時折ピクンと震える大好きな人。これで興奮しないはずがない……けど、それはきっとジェダさんも同じ。 「ボクと同じくらい勃ってる……ほら、こんなに」 「てめ……、……ん、あぁ……ッ……!」  なんだかジェダさんが感じてるのを見てるたけでも幸せで……気持ちいい。 「ホントはボクの魔法(マギア)なんか、()こうと思えば自分で出来るでしょ……?」 「んッ……ぁ、あ、あ……ミンク……」 「どうして欲しいの? 言って」
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

136人が本棚に入れています
本棚に追加