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 昨日は電話をくれてありがとう。  一緒に泣くのは本当に久しぶりでしたね。  上手く伝えられたかはわからないけれど、電話を切る時あなたは笑っていたからちょっと安心しました。あなたが笑ってさえいてくれれば、お母さんは満足です。  昨日何よりもショックだったことは、あなたが泣いて電話をかけてきた事ではなく、あなたが「私なんか」と言ったことです。  あなたはあなたであるだけで、それだけでお母さんを支えてくれているのに、そんなあなたが「私なんか」と言ったことがとても悲しくて、切なくて、そんなふうに言わせてしまったことが苦しかったのです。  あのね、あなたはお母さんにとって何よりも大切な人。生きていてくれるだけで、それだけでお母さんに幸せをくれているのよ。それだけは忘れないで。  あなたの良さや価値がわからない人にあなたを否定されたら、その十倍、いえ百倍、足りなければもっともっと。お母さんがあなたを肯定してあげる。  あなたの良いところ、お母さんはたくさん言える。きっとあなた本人よりも、たくさん言える。  だってお母さんはあなたの応援団だから。ファンクラブでもいい。親衛隊って流石に古いのかしら。  とにかく一番あなたを応援しています。足りなければお父さんもいます。二人とも、あなたを生まれた時から知っています。  あなたがどんなに素敵に笑うかをきちんと知らない人に否定されたって、そんなの聞こえないふりしなさい。そしてお母さんに電話をかけてきて。  そばにはいられないけれど、いつだってあなたの力になりたいと思っています。だからたまには甘えてきてね。  週末、帰ってきてくれるのを楽しみにしています。それでは。  心配性の母より。
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