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⑦
この手紙の書き出しをとても迷ったけれど、でも今こそやっぱりあなたに手紙を書きたいと思ってペンを取りました。
「家庭と仕事の両立が無理だった」と笑うあなたの笑顔を思い出すたび、切なくて苦しいのです。
笑っていたいはずはないのに、いつの間にかあなたは涙を隠してしまうようになりましたね。
真面目で一生懸命なあなたは正直者で、だから不器用な部分があります。そんなあなたがこれまでずっと頑張ってきた仕事は、きっとあなたにとってかけがえのないものなのでしょう。
けれど人の価値観はみんな同じではないから、残念ながら上手くいかなかった、と言うことなのでしょうね。
悲しいけれど、あなたがまた心から笑えるようになる日を、お母さんは待っています。何も出来なくて本当にごめんね。でも、ずっと見ています。
遠くから、あなたのことを思っています。それだけは変わりません。
お仕事、頑張ってね。でも、たまにはきちんとお休みをして、自分のことを大事にして下さい。そしてまた、一緒に旅行でも行きましょうね。
また手紙書きます。それでは。
心配性の母より。
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