心配性の母より

①

　今日は。あ、仕事から帰ってきてから読むんだからこんばんはかしら。それともお帰りなさい？お疲れ様かしら？
　あなたに手紙を書くのは思えば初めてかも知れませんね。
　改まって書くのは恥ずかしいけれど、でももう当たり前のようにあなたとお話出来なくなってしまったから、せめてお手紙くらい書かせて下さいね。
　小さな頃はあなたからイベントごとに手紙をもらったものです。覚えたてのひらがなで『ままだいすき』って書いてくれた手紙は、今でも私の宝物です。

　体調はどうですか？元気でやっていますか？
　あなたが家を出てから、そればかりが気になります。
　仕事にはもう慣れましたか？会社はどうですか？優しい上司や仲間に恵まれているといいのだけれど。
　今は始めたばかりで、覚えることがたくさんあって大変かも知れません。お給料を貰うのですから、きっと楽なことばかりではないでしょう。
　辛い時は、あなたを応援している母がここにいること、思い出して下さいね。私はどんな時も、あなたの味方です。
　たまには電話をしてきて下さいね。それではまた。

　心配性の母より。