純情ふわぐる恋心

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 ぐるぐるぐるぐる  遊園地のコーヒーカップが回る。  ぐるぐるぐるぐる  高速回転が気持ちを掻きまぜる。  ぐるぐるぐるぐる  わたし、ヘンなことしている?  ぐるぐるぐるぐる  だって、男子だけに「好き」って言うのはみんなにわかってもらえそう。  ぐるぐるぐるぐる  だけど女子にも「好き」と伝えた。  その場に男子も呼び出したわたし。  ぐるぐるぐるぐる  なにやってんだろね、わたし。  ぐるぐるぐるぐる  だけど一対一で会うのは怖かった。  彼女に。彼に。  ああわたし、ぐるぐるしてる。  もういっそのことわたし。  神様になっちゃおう。  結局決めるのは自分。  だけど人間のままじゃ臆す。怖い。  神様偉い。だったらほんの一時(いっとき)。  おら、神様になる!  なんでいきなり、おらって自分のことを呼んだのかはさておいて。 「わたし、二人が好きなんだ。二人同時に付き合いたい!」  言っちゃた。  ぐるぐるぐるぐる  最初から二股宣言なんて。  最低だよ、わたし。ぐるぐる  ほら、彼女と彼。  呆れて笑っている。  ぐるぐるぐるぐる  ぐるぐるぐるぐる
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