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幼なじみ
「ねぇ、これやんなーい?」
そう言って、小学校からのクラスメイトである松本愛海(あみ)がスマホを突き出す。
ツメも携帯も派手にデコっていて目立つので、愛海のいう『これ』がどれか分からない。
「これって何?」
「もう、祐美(ゆみ)はいつもボケっとしてんだから!」
「悪かったわね」
「これだって!しりとりゲーム!」
「しりとり?」
「なんかポイント貰えるんだって!やろうよ!」
「なんか、うさん臭くない?」
低い声で割って入ってきたのは、同じく小学校からのクラスメイトの滝川圭子(けいこ)だ。
「誰も圭子なんか誘ってないけどー?」
愛海がそう言えば「誘われたって断るし」と、圭子が冷たく返す。
「ま、まぁいいじゃん、試しにやってみる?嫌なら消せばいいんだから」
私が2人の間に入って仲を取り持つのが、いつもの形。
「まぁ、祐美がそう言うならいいけど」と2人が口を揃える。
この2人、仲が良いのが悪いのか…。
「でも、6人でやるんだって。あと3人足りない」
「じゃ、誰か誘う?光浦さんとか──」
私の言葉を華麗に無視し、愛海は「良一!」と手を振った。
えっ、うそでしょ?
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