第二部 雪を恋う夢

37/189
56人が本棚に入れています
本棚に追加
/305ページ
 何度も何度も言い聞かせる。兄妹たちを騙すような気がして悪いけど、あたしは彼を元いた世界へ還してあげなくちゃいけないんだから。  改めて、白羅は頷く。  その横で、泊瀬は曖昧な笑みを浮かべた姉を、不安そうに見つめている。  遠くで家臣がそんなふたりを不審そうに眺めていたことなど、ふたりは知るよしもなかった。
/305ページ

最初のコメントを投稿しよう!