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周囲から受け入れられ、祝ってもらえるような関係になるなど、夢のまた夢のこと。
それでも、いや、その背徳感もあってからなのか、何も知らない無垢な少女は木梨の手によって艶やかな乙女へと開花していった。
――たとえば、膨らみはじめたこのこぶりな乳房。
「きゃっ」
かたん、かたんと機を織る彼女の背後からそっとおおきな手のひらで包み込めば、彼女は驚いて顔を向ける。太陽がまだ顔を見せている昼のさなかでさえもこんなふうに破廉恥な行為を自然と仕掛けてくる木梨に、白羅は抵抗する術を持たない。
「俺のことは気にしないで続けて」
そんなことを言われても集中力が途切れた白羅は胸元を這う彼の指に目が行ってしまい、仕事を再開することができない。
「機織りの音がしないと、不審に思って誰かが来るかもしれないよ?」
「そ、そんな」
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