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「心因性視力障害?」
再び診察室に呼ばれ、木梨に自分の病名を告げられる。聞いたこともない病名に戸惑う舞雪。うつ病と診断された時よりも驚きが大きかった。
「そう。たぶん、受験のストレスだと思うんだけど……見えるはずのものまで、見えなくなっているんだ。視力に問題はない。ただ、今は、心が眼で見ることを拒んでいる状態なんだよ」
「見えるものが、見えない?」
首を傾げる舞雪に、木梨は説明を続ける。
「この病気は、思春期の女の子しかならない特殊な病気なんだ。心と身体のバランスが崩れているときは、一時的なんだけど、視力に影響がでることがあるんだ。治療法として目薬の投与があるけど、それよりも自分の心の問題を解決する方が確実っていう実につかみ所のない病気なんだよ」
「そうなんだ……」
心の問題。そんなに深く考えたことはなかった。頑張りすぎることは身体によくないんだと知った。このまま頑張ることを続けていたら自分はどうなっていたんだろう……
黙ってしまった舞雪を、木梨が大丈夫だよと優しく声をかける。
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