序 沫雪のまどろみ

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 煽るように木梨は白羅に機を織らせようとする。機織りの音がしていれば、白羅の喘ぎ声など漏れても掻き消えてしまうと言いたいのだろう。渋々、機織りを再開すると、木梨は満足そうに絹の布越しから触れていたふたつの乳房のてっぺんを探り、両方の指でくいくいっとつねりはじめる。ぴくり、と乳頭が嘴のように勃ち上がり、さらりとした衣を押し上げようと木梨の指の内側へ擦り寄っていく。  かた、かたたん、たん、と規則正しい機織りの音が乱れていく。 「いっそのこと、脱いじゃおうか」  上質な絹地の布越しに白羅の胸を楽しんでいた木梨は、その手を肩へ動かし、襟元からゆっくりと白羅の着物をはだけさせていく。 「あ……だめっ」  上半身が露になった白羅を、木梨は嬉しそうに見つめている。すでに木梨に苛められた乳首は桃色に染まり、それを見て白羅の顔も真っ赤に染まる。 「そのまま、機を織ってよ」 「この、状態で……?」  そんな恥ずかしいこと、できるわけないと目で訴えても、いまこの機織り部屋にいるのは自分と木梨のふたりきりだ。木梨は彼女がするまで、このままの状態でいることだろう。
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