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現に、美しい絵画を鑑賞しているかのように、木梨は白羅の淫らな格好を凝視している。
「俺のための衣を織っているんだろ? だったら、俺が望む姿で織ってくれても構わないよな?」
「……は、はい」
消え入るような声で白羅は機織りの作業をつづける。
かたん、かたん、と音は規則正しくなるが、機を織りはじめたことで、腰元でたわんでいた衣がゆっくりと下降をはじめ、裳裾を巻き込んで、床へと沈みはじめていく。
その様子を眺めて、木梨は意地悪そうに呟く。
「全部脱いじゃったほうが仕事が捗りそうだね?」
「ひゃっ……!」
そのまま、腰元の薄紅色の結紐を解かれ、裳裾ごと奪われてしまう。
バサリという鳥の羽ばたきのような音とともに、白羅は生まれたての姿になる。
一糸まとわぬ姿になった白羅は、慌てて両手両膝で恥部を隠そうとするが、木梨はやんわりと彼女の腕をとり、かがみ込んでやさしく囁く。
「もう少しでキリのいいところまで織れるんだろう? 頑張って」
――そうしたら、ご褒美をあげるから。
木梨の甘い囁きを耳元で受けて、立ちすくんでいた白羅はふたたび熟れた果実のように頬を真っ赤にする。
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