序 沫雪のまどろみ

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 彼が口にするご褒美は、いつだって白羅を翻弄させる甘くて危険な果実だ。  全裸のまま、機織りをしている白羅を見て、木梨は幸せそうに頬を緩ませる。  ここは、大倭(ヤマトゥ)遠飛鳥(トオツアスカ)。  現代とはまったく異なる時空を超えた世界で。  木梨が自分の手で求めて手折った、愛する女性(ヒト)の、いる世界。
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