第11話 芸術の素養
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第11話 芸術の素養
この、曲は。
尤
(
ゆう
)
が弾くオルガンに耳を澄ます。 「誰かさんと誰かさんが……」違う。「誰かさんが誰かさんが……」だ。芸術方面には疎い
捺
(
なつ
)
だが、このくらいは分かる。 歌詞の内容は理解不能だったが、歌自体は良いと思っていた。時折たどたどしくなる尤のオルガンに、捺は小さく微笑んだ。
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