第12話 父の本に、触れてはいけない

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第12話 父の本に、触れてはいけない

 棚から取り出した本に挟まれていた紙片を、そっと引き抜く。  紙片には何も書かれていないから、この紙片は栞代わりに使われていたもの。  どこに、挟まっていた? 手の中の本をぱらぱらとめくる。  読めない文字の本だから、この本は父の本。怒られる。温かくなった心に、(ゆう)は小さく微笑んだ。
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