第3話 落ち葉の中に

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第3話 落ち葉の中に

 玄関と、近くの山の落ち葉を、裏庭に集める。  こちらの世界では、焚き火をしても怒られることはない。 「何してるの、(なつ)?」 「しばらくお待ちください、(ゆう)様」  濡縁に出てきた細い影に、微笑みを返す。  落ち葉が焦げる匂いに混じり始めた微かな香ばしさに、捺は小さく口の端を上げた。
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