第4話 久し振りに弾いてみる

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第4話 久し振りに弾いてみる

 音が調子外れなのは、長い間放置していた所為。自室の風琴(オルガン)に小さな指を置き、(ゆう)は深く息を吐いた。  小さい頃通っていた音楽教室は、治安と尤自身の体調の悪化で通うのを止められてしまった。  今も、あの山茶花の生け垣はあるのだろうか。聞こえなくなっていく音に、尤は再び溜め息を吐いた。
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