巴と田舎侍

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巴と田舎侍

カサリ。とかわいた落ち葉が私の頬に落ちる。ぼんやりと私の意識も覚醒する。 「…ここは?」 ゆっくりとまぶたを開けると、落ち葉だらけの世界。 あれ?私確か、原宿に居たよね。なんでこんな、人も居ないような山道にいるの? もしかして、誘拐? 嫌な考えが頭をよぎる。 誘拐だったら、私はきっとこの後暴行を受けるか酷い場合は殺される。でも、不思議なことに周りを見渡しても誰もいない。 「とりあえず、GPSでここの場所でも見るか。」 不安な環境下。まずはここの場所を警察や消防署の人に伝えることが大切。 通学用のマンハッタンポーテージのリュックのポケットから、iPhoneの最新機種を取り出す。部室で充電しているから、充電は96パーセントだった。ただし、不思議なことに日付は8月15日ではなく、10月2日の時刻は14時。 「私、2ヶ月も寝てたの?」 だとしたら医療機関に行かないとこんなに生き延びれない。 とりあえずGPSで場所チェックをしようとするが、電波がないらしく混乱している。110番や119番通報を試してみるも、それも繋がらない。 「えっ、何どういうこと!?」 カレンダーを見ると、 『1169年10月2日木曜日』 「……マジかよ。2000年代じゃないのかよ。」 頭の中ではネタとしか考えられない。とするとアップル社ってタイムスリップしても正確な日時を伝えてくれるんだ。ウケる。 …いや、全く笑えない。
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