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「姉ちゃん。その格好、傀儡女か?」
傀儡女?聞いたことも無い。
「は?私は女子高生なんだけど。」
「なんだぁそいつァ。聞いたこともねえ。なぁ?」
落ち武者は全部で3人。先程私に話しかけてきた落ち武者のボスのような人が、ヒョロりとした他のふたりに話しかけると、その2人も下品に笑う。
「姉ちゃん、とりあえずこんな山奥にいるってことは俺たちのことを温めてくれるってことだろ?」
私は先程折った竹を、薙刀を構えるように中段に構えた。
「そんなに警戒すんなって。女1人で俺たちに刃向かったって無駄なんだからさぁ。」
有難いことに、男は私を女だと舐めている。そのおかげで、刀を鞘から抜かずに向かってくる。
型も何も無い。ただ乱暴に刀を構え、私に向かってくる山賊のような男。だが、こちらからすればスキがありすぎる。
「やぁっ!!」
男の太刀を刀身受け、そのまま石突で脛を攻撃する。いくら兜をつけていても、むき出しの脛を狙えば、痛さで男は蹲った。
「てめぇ!女だからってなめやがって!!!!!」
ボスのような男が脛を攻撃され、跪いていると、仲間のふたりが私に向かってくる。
「いや、3人はちょっと厳しいかも……。」
とりあえずその場を逃げようとするが、男ふたりの足は私よりも早く、簡単に追いつかれてしまう。嘘だろ。転生系で早くも暴行されるとかそんな展開あるの?
とにかくがむしゃらに竹の棒で受けるものの、刀身むき出しで来る相手に敵う訳もない。そうこうしているうちに、先程脛を打ったボスも回復し、鞘から刀を抜いた。
「あーもう誰か助けてよ!!!!」
怒りに任せ、助けを求めると、
「お前、1人で山賊に立ち向かおうとしてんのか?」
木の上から、誰かが私に声を掛けた。
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