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俺はカールとゆうの家へ行ったあの日のマリーとの約束のことを思い出していた。
「レオン様、ゆう様を学校に通わせるのにはリスクがあると思います。」
「あぁ、それは十分分かっているつもりだ。」
ゆうはあの一族の生き残りだ。そして特殊な能力も持っている。
その自分の能力に気づいているならまだしも、ゆうはまだ気づいていないから、どのタイミングで能力が発生するのか分からないのが危険だ。そしてあの一族の子だと勘づく汚いやつらもいるだろうし危険だ。
そして何より、あの見た人みなを魅了してしまう美しい外見だ。もっと危険だ。
真っ白な美しい髪に、透き通る青い瞳。あの一族独特な遺伝子だ、すぐに分かってしまう。
「はぁ、、どうするべきか。」
俺は頭を抱えた。
「レオン様、、ゆう様に護衛をつけるのはいかがでしょう?」
「.....護衛か、、それは俺も考えたが、、。」
ゆうの傍に別の男がずっと傍に付いているなんて考えると何故か心のどこかがもやもやとして嫌になる。
でも今はそんな事言っている暇はない。ゆうの身の安全が第1だ。
「よし、カール命令だ。
信頼できる、そして誰もを押し抜けるような強い護衛を探せ。時間がない、今日までにだ。
できるな?」
「はぁ、、、レオン様のむちゃなお願いには慣れています、承知致しました。」
「カール、ありがとな。助かる。」
「いえ、お任せ下さい」
そう言い残しカールは俺の書斎から出て行った。
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