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そして、僕は知らない場所で目が覚めた。
とっても豪華なお部屋の中だ。
きらきらピカピカしたのがたくさんあって、細かい模様が付いてたりつやつやした表面のタンスとかテーブルとかがあって、絨毯はふかふかですごく柔らかい。
「人間めが、童の城に侵入するとはどういうつもりなのじゃ」
周囲をキョロキョロしていると、女の子の声がしてびっくりした。
背中の方だ。
振り返ると、目の前にはドレスを着たとっても可愛い女の子。
キラキラつやつやした服を着てて、絵本で見る王女様みたいなんだ。
でもちょっぴり変。
頭の両側に黒い角がくっついてるんだ。
変わったお洒落かな。
「あやしい。あやしすぎるぞ、人間」
女の子はこっちを見ながら周囲を三回ぐらい。ぐるぐるぐる。
穴が開きそうなくらいじーっと見つめた後は、部屋の扉の方を向いて大声を出した。
「ギューブ! 参れ!」
「何用でしょうか、魔王様」
すると、扉を開けて背の高い男の人が部屋に入って来たんだ。
それで、さっさっさとこっちまでやって来る。
足音が全くしないのが凄く不思議だった。どうやってるんだろう
「童の部屋に不審者が紛れ込んだのじゃ。いきなり目の前にぱっと現れおった」
「人間……、の子供の用ですね。戦闘能力はなさそうですが。いかがいたしましょうか」
「そんな事は決まっておる。人間は敵じゃ。こやつをとらえて牢屋に入れよ」
「はっ」
女の子のはきはきしした言葉を聞いて、隣に立っていた男の人が動いた。
「無駄な抵抗はするな。その時は容赦しない」
僕をひょいっと持ち上げて、どこかに連れて行こうとする。ひょっとして牢屋ってとこに向かうのかな。
「さっきまで、ポチと散歩してたはずなのに。一体、どうなってるんだろう」
とりあえず。なされるがまま運ばれる事にした。
考えるのに疲れちゃったや。
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