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第2話 これから頑張るぞー
牢屋っていう所に連れてこられて半日ぐらいが経過したみたいだ。
みたいっていうのは、ここには窓がないから、お日様の様子とか外の様子が分からないから。
「いま夕方くらいかなあ」
抱えられて色々な所を移動していた時に窓から見えた景色は真っ青の空で、お日様サンサンだった。
ここに連れてこられるときに男の人、ギューブさんに聞いたんだけど。
ここはどうやら魔王城というお城の中とらしい。
それであの部屋にいた女の子はこの魔王城の主で、魔王様なんだって。
魔王様って絵本で見たけど、すっごく強くて怖い人の事を言うんだよね。
僕と同じくらいの背で可愛くて、とてもそんな風には見えなかったけど、お母さんが人を見かけで判断しちゃ駄目だって言ってたし、怪しい人以外は疑っちゃだめよって言ってから、きっとそうなんだろうなあ。
よし、信じよう。夢の中で出会ったような気がするよく分からないお兄さんより、ギューブさんは怪しくない感じがしたもん。
それでね。
魔王様はマジンゾクっていう人たちの為に人間とセンソウをしてるみたいなんだ。
センソウは知ってるよ。たくさんの人達とケンカして、互いの譲れないものを懸けたケットウをしあったりする事なんだよね。
そんな人間達がやって来るのを、魔王様やギューブさんは追い払う仕事をしているんだけど、そんな時に人間がお城の中に人間がいたからびっくりしちゃったみたい。
大変な所に来ちゃったなあ。
世界にマジンゾクって人達がいるんなんて全然知らなかったや。
皆がそんな人達と戦争してるなんて事も。
僕の住んでる国は、センソウもないし、食べる事にも困らないヘイワな場所だって言ってたけど、他の国では違うんだなあ。
僕はどんな所にやって来ちゃったんだろう。
ちゃんとお家に帰れるといいけど。
でも、遠くにある場合はコウツウヒとかリョヒがかかるんだよね。
お小遣いはギューブさんに没収されちゃったし、そもそも全然なかった。困ったなあ。
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