はじまり

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おばあちゃんはあたしの 頭をぽんぽんと撫でて、 そして一笑。 「そう。 じゃあゆいちゃんの 七五三には、素敵な 桜の着物を用意して あげましょうね。 それに、特別な 鼈甲の櫛を頭にさして、 うん、 きっと似合うわ。 だってゆいちゃんは こんなに可愛いもの。」 おばあちゃんにほっぺを くしゅくしゅーっと されれば、 あたしはキャッキャッと 甲高い笑い声をあげて、 おばあちゃんの手を 握った。 「桜のきもの着たいっ! すごいっ、おひめさま みたいになれるかな!?」 「なれますとも。」 おばあちゃんは、 ゆったりと頷いて、 そして、 はにかんだ。 「おばあちゃん、 楽しみにしてるわね。」 「うんっ!」 ヒラヒラと、 桜は舞い散っていた。
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