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結局のところ、戦争は他国の寄せ集めの軍隊の介入によって、瞬く間に終了した。
どちらが良いとか悪いとかではなく、第三者である、私たちとは全く関係のない機関が介入して、両成敗という形で制裁されることとなった。
それ自体はなんだかすごく腑に落ちないけど、それでも平和が戻ったことは本当に良かったって思ってる。
ただ、ドジソンおじいちゃんは、戦争協力者として裁かれ、この公園におじいちゃんの楽譜が集められて、本人の目の前で全て燃やされて、それから10年間の音楽活動の禁止を言い渡された。
それは、私たちの中の正しさが、正しさではなくなって、汚されて当然のものになった瞬間でもあった。
まだ七歳だった私には、それがどう言うことなのか、何が起きているのか、正直わからなかった。
その時の気持ちは、今でも言葉ではとても表現出来ない。
ただ、好きなものを好きと言えない現実が、あれだけ皆から愛されていたドジソンおじいちゃんの音楽が正しくないものとして処分されたことが、私の中から音楽というものを消し去ったことは、確かな事実だった。
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