狂気

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狂気

ギシ‥ギシ‥ 「ゃ・・・ぁ・・・あぁ、んっ」 「・・・クッ・・・キツ・・・」 延々と続く 覆い被さる男の律動に 先に悲鳴を上げたのはベッドで シーツを握っていた小さな手を捕まえると その指を喰んだ 「・・・っっ」 繋がりの先から 卑猥な水音が立ち 羞恥が五感を更に刺激する 「も・・・、だ、めっ・・・や、ぁ」 目尻を溢れ落ちる涙は生理的なものか どろどろに溶かされた身体が生み出すものか 緩急をつけるストロークに 何度も僅かな隙間で弓形に反る背中 強張っては弛緩する華奢な身体を 男の杭が貫くたびに 「も・・・ゆっ、るし・・・て」 色付く唇は許しを乞うように開く その熟れた唇は 紡いだ言葉を形にすることなく 熱い舌に塞がれて新たな水音を奏でることになる 息の上がった身体はもっと酸素を望んでいるのに 逃げようとすれば執拗に絡め取られ 唾液さえ支配する濃厚な口付けに 意識が混濁する 「・・・っ、・・・ぁ」 足先から競り上がる渦に飲み込まれると同時に 最奥に捩じ込まれた杭から 熱い欲が吐き出された 「ミキ」 荒い呼吸だけで動かない小さな身体から 名残惜しく自身を引き抜くと 何度となく放った欲が吐き出されてきた 「孕めばいい」 汗で張り付く髪を手で掻き分け 絹のようにきめ細かなオデコに口付けた
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