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【 第二話: 過去からの手紙 】
ボクは、タイムカプセルに入っていた、自分が当時書いた手紙を、恥ずかしそうに、そ~っと開いてみた。
すると、そこには、こんなことが書かれていた。
『好きなこと:押し花』
『将来なりたいもの:お花屋さん』
『二十歳の自分に一言:駿くんに好きって言えてますか?』
ボクは、手紙の内容を見て、急に顔が熱くなり、咄嗟にその手紙を胸の前でピシャッと閉じた。
今、思い出した……。
この時、既にボクは、駿くんに『恋』をしていたんだ……。
ボクは、教室の白い天井を見てから、ゆっくりと瞳を閉じた。
あの時の駿くんへの想いを、今はっきりと思い出したんだ……。
そんなことを考えていると、男子が何やら教室の前の方で、騒ぎ出した。
「はい! 駿の手紙ゲットーっ!」
「何すんだよ! 返せよーっ!」
「はい! 駿の『好きなこと』は~、『勉強』って、真面目か!」
「うるせぇ! 返せ!」
「次~、『将来なりたいもの』は~、『医者』って、この時からかお前」
そう、ボクが当時好きだった学級委員長の『駿』くんは、当時から医者を目指していて、勉強がとても好き子だった。
だから、現役で国立の医学部にストレートで合格できたんだ。
そんな彼に、当時のボクは、憧れていた。
「次ね~、『二十歳の自分に一言』、『もっと勇気がほしい』って、何だこれ?」
「知らねぇよ! 返せよ!」
「勇気って、何の勇気だ? 駿よ」
「そんな昔のことなんて忘れたよ! 返せって言ってんだろ!」
ボクは、彼の書いた『もっと勇気がほしい』という言葉に、この時、その本当の意味に全く気付かなかったんだ。
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