みなさんあの方を忘れていませんか

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「人が早く家の用事済ませて、子供の世話を旦那に頼んでまで協力してあげてたのに、ある日急に『最近アイツ元気ないから当分行けない』とか言ってきてさ!どう思う?酷くない?てかあなたなんで元気なかったの?」 「なんで…だったんでしょうね…ははは…」 きっと私が橘に不安だと言った日に違いない。 あれから橘は出掛けなくなったから。 でも言えない。 不安になった理由なんて言えない…。 「しかも!圭が熱出して休んだ日なんて、わざわざお見舞いに行ってあげたのに、部屋にも入れてくれずに帰らされたのよ!ありえないでしょ?!」 …もう返す言葉が見つかりませんよ。 「いやーそれにしても会社でのあの猫かぶりキャラ、めちゃくちゃウケるわー。あ、でも昨日バレたんでしょ?」 と、笑っているお姉様。 あれ…でも… 「圭って…シスコンなんですか?」 「は?」 何言ってんだコイツ、みたいな目で私を見るお姉様。 でも私はあの噂を聞いてしまったんだ。 「クリスマスイブの夜…圭が佐々木さんに…好きって…」 段々小さくなる私の声。 しかし佐々木さんにはきちんと聞こえていたみたいで 「あぁ、あれは──…」 真相を教えてくれた。
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