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ミキの純情と打算、そして執念…/その2
ミキ
「…その自己嫌悪、まさについこの間までのオレそのものだったさ。それをミキさん、アンタが救ってくれたんじゃないかよ!だから、そんな気持ちにはならないでもらいたいんだ…」
この人とこうして間近で接してると、その度に一途さを感じる
何か自分の思いに重しを課して毎日を生きてるような…
素敵だわ
単純にそう思うって!
こうして親しくなって、初めて知った彼の内面…
...
私の心の中で時々どんと穴ぼこに落ちるようなドツボ感…、それ、彼は絵に描いたように振り払ってくれるのよ
その穴ぼこにハマった私に差し出してくれる手はまっすぐで精いっぱいに伸びていて、彼は真剣で険しい顔をしてるの
高本さんには、軽はずみな納得などないのよ
日々、自分の考え、気持ちを重く捉えている
その上で自分の決めた道を歩んでいく人だわ
だから、海外スタントの夢は叶えてもらいたい
ぜひ‥、いえ、何としても…
...
「…わかった。ミキさんの言う通りでトライしてみるよ」
「うん!早速、ロスの紅子さんには再度話を通しておくわ」
「すまないが、よろしく頼む。…なんか、別ルートでもう一人の候補がいるそうなんだ。それが、この辺りに住んでる若い女性だとか…」
「えっ?…じゃあ、あなたとその女性どちらか一人を選ぶってことなの?」
「うん…、そうみたいだ。もっとも、オレに口利きしてくれてる人は採用側のスポンサーみたいなもんだから、条件さえクリアすればオレでって話しではあるんだけど…。あさって、会うことになってるから、こっちのプランを話した上でよく確かめておくよ」
「ええ、ちゃんと確認した方がいいわ」
この日、その話はここで終わったわ
...
その後、バイクで埼玉北部までツーリングしてね…
いっぱしのデートよ
もっとも、彼とはまだ腕を組むくらいで止まってる
キスもまだだし…
でも、私の気持ちは本気で好きということだ
あせることは避けているが、自分の気持ちは大事にしなくちゃ…
何となく恋人モードにはなっているけど、はっきりとお互いの気持ちを口で確認してはいないし
だから…
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