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 翌日になると、谷さんは無事に退院してきた。救急車で運ばれて着の身着のままで一泊しただけなので、荷物はほとんどなかった。手には浜田さんからのお土産を持っていた。 「うどんだな」  琴平さんが興味深そうにのぞき込む。とりあえず谷家に戻ったシロを心配して見に来てくれたのだ。 「あっちは、たぶん御札だ。新入りに挨拶してから行くの?」 「はい」  ここまで来たら逃げても仕方ない。ちゃんと最後まで谷さんたちの安全を見守り、新しい神様に後をお願いしてから出ていこうと思った。  谷さんが包みを開けると真新しい木の御札が出てきた。それを見た瞬間、シロと琴平さんはあんぐりと口を開けた。
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