1-1 聖地からの使者

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 東の帝国の帝都・暁京(ぎょうけい)。  長く〈混沌の闇〉に閉ざされていた世界を救うために、天界より降り立った太陽の化身・龍騎士が(ひら)いた帝国の首府として、二千年の繁栄を誇る。度重なる改修を経て拡げられた市域はほぼ正方の巨大な城壁に囲まれ、その一辺は凡そ二万五千プル(約七、五キロメートル。一プル=約三十センチメートル)にも及ぶ、大陸最大の都市である。  都の中央に巨大な皇城が置かれ、さらにその奥に皇帝の居住する皇宮がある。三千もの宮殿が藍色に輝く(いらか)を連ね、南側が皇帝の住まう前朝、北側が妃嬪(ひひん)の住まう後宮となる。
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